身体の硬い人がいきなり強度の高いもも裏(ハムストリングス)のストレッチを行うと、腰痛や肉離れなどの怪我の原因となってしまいます。
「Y字バランスやI字バランスのように高く脚が上がるようにになりたい」というような高い目標を持っていても、今の時点で90度くらいしか脚が上がらない場合は、いきなり180度上げるのはむずかしいです。
まずは強度の低いストレッチから行い、余裕が出てきたらストレッチの強度を高め、徐々に動作を大きくして行きましょう。
もも裏(ハムストリングス)のストレッチを安全に行うポイント
もも裏(ハムストリングス)のストレッチを行うときは、以下の3点に注意しながらストレッチしていきます。
- 太ももの裏側の筋肉が伸びているのを意識する。
- 太ももを前に上げる動作(股関節の屈曲)と、ひざを膝を伸ばす動作(膝関節の伸展)、骨盤を立てる動作(骨盤前傾)をコントロールする。
- ひざ、足首、腰に負担がかかるときは中止するか強度の低いストレッチから行う。
もも裏(ハムストリングス)が伸びるのを意識しよう
上げた脚の方の太ももの裏側が伸びるのを意識しましょう。
骨盤の坐骨から膝裏あたりの太ももの後面のラインが伸びているのを感じながらストレッチしていきます。
ハムストリングスの動作や解剖について詳しくははこちら
ハムストリングスのストレッチでコントロールする動作
太ももを前に上げる動作(股関節の屈曲)と、膝を伸ばす動作(膝関節の伸展)の動きを大きくしていくとストレッチの強度が高くなります。
(座位や立位のストレッチでは、骨盤を立てる(骨盤の前傾)をコントロールするとよりハムストリングスが伸びやすいです。)
かならず足首、ひざ、腰の関節に負担がかからないように注意しながらストレッチしましょう。ストレッチの強度が合っていないと肉離れや捻挫などの原因となってしまいます。
膝を伸ばす動作(膝関節の伸展)
太ももを体幹に前側に上げる動作(股関節の屈曲)
股関節の屈曲動作は、太ももを体幹の前に上げていく動作です。
(上図は100度ほどの股関節屈曲位から、さらに股関節を屈曲させて、120度くらいまで股関節を屈曲させています。)
ハムストリングスが硬い場合
ハムストリングスが硬いと、脚を高く上げられなかったり、上げた時に膝が曲がってしまいます。
もも裏の筋肉(ハムストリングス)をより柔らかくして可動域を広げるストレッチの進めかた
ハムストリングスのストレッチの強度を10段階に分けて進めていきます。
1.片方のひざを曲げた姿勢から上体をたおして手を着く
片方の脚を前に伸ばした姿勢から上体を前にたおしていきます。
上体の角度が前に傾いて床の方に近づくほどハムストリングスのストレッチの強度が高まります。
補足:ハムストリングスのストレッチの際に床に座るのが苦手な場合
床に座るのが苦手な場合は、仰向けで股関節を屈曲させるストレッチや、壁に足をかけて行うストレッチ、椅子に座って行うストレッチを試してみて、力まず楽に続けられるストレッチから始めてください。
股関節の柔軟性向上
腰痛予防
お尻・もも裏の凝り緩和
もも裏の柔軟性向上
足のむくみ改善
前屈の柔軟性向上
もも裏の柔軟性向上
足のむくみ改善
前屈の柔軟性向上
もも裏の柔軟性向上
もも裏の凝り緩和
前屈の柔軟性向上
5.仰向けの姿勢から股関節屈曲の角度を大きくしていく①
次に仰向けの姿勢のストレッチを行い、股関節の屈曲動作の角度を大きくしていきます。初めはストレッチしない方の脚の膝を曲げた姿勢でストレッチすると、脚が上がりやすいです。
6.仰向けの姿勢から股関節屈曲の角度を大きくしていく②
慣れてきたら、ストレッチしない方の脚の膝を伸ばした姿勢でストレッチしていきましょう。
7.立った姿勢でハムストリングスを伸ばす
Y字バランスやI 字バランス、ハイキックのように脚を高く上げたい場合は、立った姿勢でハムストリングスのストレッチを進めていきます。椅子に脚をかけて上体を傾けたり、脚をかける椅子の高さを調整してストレッチしていきましょう。
8.壁に脚をかけてハムストリングスを伸ばす
さいごに
ハムストリングスのストレッチを10段階の強度に分けて進めていきました。立った姿勢でストレッチを行うときに、軸足がグラグラしてしまう場合は片足立ちのトレーニングや、カーフレイズエクササイズでふくらはぎの筋肉を鍛えてください。
脚を上げたときに腰が引けてしまう場合は、軸足の方の腸腰筋のストレッチを合わせて行っていきましょう。
反り腰の改善
ストレッチの強度の高め方をふまえて、怪我をしないよう安全にハムストリングスの柔軟性をつけていきましょう。