2022/09/30
動画を作成しました。
ストレッチ中に「ひざが真っ直ぐ伸びてない!」と注意されることが多いと思います。
しかし、体の硬い人の場合は、もも裏の筋肉が硬いのでひざを伸ばしたくても伸ばせないというケースが少なくないです。
ですから、柔らかい人が手を抜いてひざを伸ばさずストレッチしているのか、硬い人が伸ばしたくても伸ばせないのか分けて考える必要があります。
硬い人の場合、無理にひざを伸ばそうとしても、太ももの筋肉が力んでしまいリラックスできず、なかなか柔軟性が上がっていきません。
ひざを伸ばしたまま脚を高く挙げるコツ
ひざを伸ばしたまま脚を前に上げる動作には、
- 股関節を屈曲させる(前に曲げる)
- ひざを伸ばす
- 足首を曲げる・伸ばす
という3つの動作のコントロールが必要です。
柔らかい人であれば、一度に3つ全ての動作をコントロールすることができますが、硬い人にはそれが難しいです。
硬い人は、股関節、ひざ関節、足関節の動作をそれぞれ一つずつ行なっていくことをオススメしています。
伸びているのを意識する筋肉
もも裏のハムストリングスと、ふくらはぎの下腿三頭筋(特に腓腹筋)の部位が伸びているのを意識しましょう。
ハムストリングスは、お尻の坐骨〜ひざ裏のラインを、ふくらはぎは、アキレス腱〜ひざ裏のラインが伸びているのを感じながらストレッチしていきます。
まずは太ももの角度を意識してストレッチする
最初は、ひざを曲げたまま股関節の屈曲動作を大きくしていきましょう。
■股関節の屈曲動作に関して詳しくはこちら
ひざを曲げたまま太ももが90度以上は挙がるようにしていきましょう。
もも裏やお尻の筋肉が硬い人の場合は、ひざを曲げたままでも股関節を屈曲させると、もも裏の筋肉を伸ばすことができます。
- もも裏や殿部の筋肉の柔軟性が低い場合は、ひざを抱え込む動作でひざが胴体の方に近づきません。
- 柔らかい場合はひざが胴体の方に近づき、太ももの角度が大きくなっているのがわかります。
ひざを曲げたまま行う殿部〜もも裏のストレッチ
- 仰向けの姿勢で、一方の脚のひざを抱えこんでいきます。
- 殿部〜もも裏の筋肉が心地よく伸びているところで15秒~30秒キープします。
- 股関節にツマリ感が出てしまう場合は、ひざを少し外に向けてひざを抱え込む動作を行なってください。
太ももを90度挙げた状態からひざを伸ばす
- ハムストリングスが硬い場合は、太ももを90度挙げた状態から、ひざを伸ばそうとしても真っ直ぐに伸びず10~20度ほど曲がってしまいます。
- ハムストリングスが柔らかい場合は、太ももを90度挙げた状態から、ひざを真っ直ぐに伸ばすことができます。
タオルを使ったもも裏のストレッチ
- 仰向けの姿勢で足にタオルを引っかけ、ひざを伸ばしていきます。
- もも裏〜ひざ裏の筋肉が心地よく伸びているところで15秒~30秒キープします。
- 20度曲がったひざが、1回のストレッチでいきなり0度まで柔らかくなることは難しいです。
真っ直ぐに0度になるまで、20度→15度→10度→5度→0度というように角度を微調整して徐々にひざを伸ばしていきましょう。 - ひざが真っ直ぐ伸びるようになったら太ももの角度を90度から100度、120度というように大きくして脚を高く挙げてストレッチしていきましょう。
足首を曲げる動作を大きくして膝裏を伸ばす
ひざを真っ直ぐに伸ばすためにはハムストリングスだけではなくて、ふくらはぎの腓腹筋の柔軟性も高める必要があります。
- 腓腹筋の柔軟性が低い場合は、足首を曲げる動作が硬く、スネの骨(腓骨)に対して足(第5中足骨)が曲がっていきません。または足首を曲げると、ひざが曲がってしまいます。
- 柔軟性が高い場合は、ひざを真っ直ぐに伸ばしたまま足首を曲げることができます。
膝裏を伸ばすためのふくらはぎのストレッチ
- 仰向けの姿勢で足にタオルを引っかけ、ひざを伸ばした姿勢を作ります。
- タオルを引っ張って足首を曲げていきます。
- アキレス腱〜ふくらはぎ〜ひざ裏の筋肉が心地よく伸びているところで15秒~30秒キープします。
さいごに
体の硬い人が、いきなり股関節、ひざ、足首全ての関節動作をコントロールするのは難しいです。まずは一つ一つの動作の関節可動域を広げて、それから2つ3つと動作を組み合わせていきましょう。指導者の方も、選手がひざを伸ばせない理由がどこにあるのか明確にして、硬い選手には別メニューを立ててあげるとよいでしょう。
柔軟性を高めるためのストレッチで大切なのは、ストレッチ前後で必ず関節可動域に変化が出たのかを確認することです。
ストレッチ中に、今自分の太ももは床に対して何度ほどの角度をなしているのか、ひざは何度くらい曲がっているのか、足首は何度くらい曲がっているのか、それぞれ微調整していきながらストレッチすることで、少しずつ柔軟性が上がっていきます。
初めは鏡で自分のストレッチ中の姿を確認しながらストレッチするとよいでしょう。慣れてくると、「もも裏の筋肉がこのくらい伸ばされて突っ張っているときは、脚が○度挙がっているはずだ。」と鏡で確認しなくても自分でわかるようになってきます。
■フォームローラーやマッサージボール でマッサージ後にもも裏をストレッチするのもおすすめです。
もも裏の柔軟性向上
もも裏の凝り緩和
前屈の柔軟性向上
もも裏の柔軟性向上
もも裏の凝り緩和
前屈の柔軟性向上