ストレッチをやりっぱなしにしていませんか?
運動前後のストレッチは身体に良い、とされていますが、その効果をきちんと理解せずにやりっぱなしで終えている人が少なくありません。
ストレッチには、筋肉の緊張緩和、関節の可動域の増大、血液循環の促進、スポーツ障害の予防などの効果があります。
詳しくはこちら
この中の「関節の可動域の増大」について詳しく説明していきたいと思います。
ストレッチによる関節の可動域の増大について
身体の各関節はその関節の構造上の可動域(動く範囲)が決まっています。
関節可動域測定法―可動域測定の手引き 協同医書出版社 より
上図のように股関節を曲げる(脚を上げる)動きは(膝を曲げた状態で)125度、股関節を伸ばす(脚を後ろの伸ばす)動きは15度です。
脚を曲げる動作(股関節の屈曲)では、上図のようにトレーナーが脚の上がる角度を計測します。
計測して記録していくと、トレーニング前は脚が90度上がっていたのに、トレーニング後は70度しか上がらなかったですとか、トレーニング翌日に筋肉痛がひどくて70度しか上がらなかっただとか、怪我をして怪我をする前よりも脚が上がらなくなったなんていうことが多くあります。
ストレッチの運動前後の評価
実際にスポーツの前後にストレッチを行う現場では、仰向けに寝て脚を挙げた時に、自分の脚が何度上がっているのかを確認するのは困難だと思います。
ですので、下記のようなモモ裏(ハムストリングス)のストレッチであれば、
ストレッチング ボブアンダーソン著 ナップ より
・前屈した時に手の指先が足首まで届く
・前屈した時に手の指先が足の甲まで届く
・前屈した時に手で足の指先をつかめる
・前屈した時に手で足の裏をつかめる
というようにストレッチを行うたびに柔軟性を測ってあげるとよいと思います。
ストレッチをより効果的に行うために関節の可動域を意識しましょう
ルーティンとして同じストレッチを続けることで、「今日はいつもより脚が挙がらないな」「今日は脚を挙げた時に膝が曲がってしまうな」「前屈した時に腰に響くな」など自分の身体の変化に気づくことができます。
いつもより柔軟性が低下している状態でトレーニングをすると怪我を起こす危険性が高くなってしまいますし、運動のフォーム(投球、キック、走動作など)の乱れやパフォーマンス低下にも繋がってしまいます。
関節の可動域を意識してストレッチしなくても、筋肉の緊張緩和や血液循環の促進などの効果は得ることができますが、日頃から「関節の可動域」を意識してストレッチしていけば、よりストレッチの効果が実感できるはずです。
■参考文献: