脚を上げたときに、「もも裏の筋肉がつっぱっているから体が柔らかくなっていない!」と思っている人が少なくありません。
体の柔らかい人でも、ストレッチの動作の最終域では筋肉がつっぱっています。
体の硬い人であれば、仰向けで脚が90度まで上がらず60度くらいで、もも裏の筋肉のつっぱりを感じます。柔らかい人は90度を超えたあたりではまだ筋肉のつっぱり感を感じませんが、120度くらいのところでもも裏の筋肉のつっぱり感を感じています。
さらに柔軟性が高い人であれば、180度くらいのところで筋肉のつっぱりを感じます。
【硬い人は脚を60度くらい上げたところでもも裏の筋肉のつっぱりを感じる】
【柔らかい人は脚を100度くらい上げたところでもも裏の筋肉のつっぱりを感じる】
「体が柔らかくなる=筋肉のつっぱり感が無くなる」というわけではなく、筋肉のつっぱりを感じる最終域の位置が変わるのです。
はじめは60度の位置で、もも裏の筋肉のつっぱりを感じてそれ以上は脚が上がらなかったのが、一定期間のストレッチを続けて柔軟性が高まると、筋肉のつっぱりを感じるのが90度くらいの位置になります。
筋肉のつっぱり感だけで柔軟性を評価しようとすると、脚が上がる角度が大きくなっているのに気づかないことがあります。
筋肉の柔軟性は「縦断的柔軟性」と「横断的柔軟性」で評価することができます。この二つを意識してストレッチすると良いでしょう。
縦断的柔軟性とは
縦断的柔軟性は、仰向けで脚を上げたときに何度脚が上がっているかを計測して評価します。
今までは90度しか上がらなかったのが、定期的にストレッチを続けることによって120度上がるようになった。
いつもは120度上がるのに、スポーツ後で筋肉が疲労して硬くなっていて100度しか上がらない。
定期的にストレッチを行い筋肉の縦断的柔軟性を評価することで、スポーツのパフォーマンスの安定や怪我を予防することができます。
横断的柔軟性とは
横断的柔軟性とは、実際に筋肉に触れてみたときの柔らかさのことをいいます。
スポーツ後や仕事で長い時間座っていたり立ちっぱなしでいると筋肉が疲労して硬くなります。
筋肉が疲労して硬くなっているときは、いつもマッサージをお願いしているトレーナーの施術がいつもより痛く感じることがあると思います。
横断的柔軟性を自分でチェックするためには、日ごろからマッサージボールなどを当てて筋肉をほぐす習慣をつくるとよいでしょう。
いつもはこの大きさの、この硬さのボールをもも裏の筋肉に当ててマッサージしても痛くないのに、ランニング後や長時間立ちっぱなしの後に当ててみたらいつもよりも痛く感じることに気づきます。
さいごに
スポーツや日常生活の疲労により硬くなった筋肉は、横断的柔軟性と縦断的柔軟性が低下していることが多いです。日ごろからストレッチや体のケアをして元の柔軟性を戻してあげることが大切です。
柔軟性を上げたいであれば、筋肉のつっぱり感だけではなく、縦断的柔軟性と横断的柔軟性を評価しながらストレッチしていきましょう。