ストレッチには筋肉の柔軟性向上(関節可動域の増大)の効果がありますが、誤ったやり方でストレッチをすると効果が得られないばかりか怪我をしてしまうことがあります。
柔軟性向上を目指してストレッチをしていて肉離れを起こしてしまう人も少なくありません。
肉離れの症状や肉離れが起こる原因、肉離れが起こってしまった時の対処法を学び、安全で効果的なストレッチが行えるようにしていきましょう。
肉離れとは
肉離れは筋挫傷(きんざしょう)とも呼ばれ、筋肉が損傷して断裂してしまった状態を指します。
軽度なもので部分断裂から、重症のものでは完全断裂にまで及びます。
1.部分断裂:瘢痕にて治癒
2.完全断裂:ギャップを生じて広い瘢痕にて治癒
3.より少ない瘢痕にて治癒
肉離れの起こる原因と症状について
肉離れは、無理な勢いをつけてストレッチを行った時や、他人が本人の現在の柔軟性を無視して関節運動を強制した時などに起こります。ストレッチ以外の場面では、ランニング中の急激なダッシュ、ストップ動作などで起こることがあります。
損傷すると、
・損傷部位に圧痛や腫れ
・損傷された筋に力を入れると痛みがある
・損傷された筋肉の伸ばすと痛みが出る
・完全断裂では、力が入らない、凹みができる
などの症状が生じ、急性期にはRICE処置が必要となります。
肉離れのリハビリについて
損傷後はRICE処置を行い、損傷の程度により1~2週間は安静とします。
圧痛や腫れが治り、損傷した筋肉に力を入れても痛みが出ない、筋肉をストレッチしても痛みが出ない、体重をかけても痛みが出ないのを確認して軽度の運動から再開していきます。
完全断裂の場合はきちんと医療処置を受けないと瘢痕が残り、筋肉が伸びにくくなるなど予後が悪くなるので、程度を自分で判断せず医師の診断を受けましょう。
さいごに
高い柔軟性が求められる競技では、強度の高いストレッチを強制されることがありますが、肉離れや靭帯損傷を起こしてしまうケースも多いです。
柔軟性が低いとできない技などもあり強度の高いストレッチを行わなくてはいけないのですが、肉離れの症状やリハビリなどを考慮してストレッチを行うようにしましょう。